2010-10-13

ケンチクザッシ04


建築雑誌10月号


「構造者の格律」
という特集が組まれている

「築くことの初源・歴史・公理」
という公開座談会での
藤森教授のショートレクチャーに
興味をもった
 以下そのレクチャーの抜粋をご紹介する
*************************************************************************************
究極の建築材料は何かと考えていて、昔、建築家の石山修武に
「究極の建築材料ってなんだろう」

尋ねてみたのです
彼は「鉄」と言うだろうと思っていましたが
そのとき「木だと思う」と言ったんです
それでビックリしました
(中略)
もちろん僕も木だと思っていました
なぜ木を究極の建築材料だと思うかというと
まず、人間の手で持つことができて
簡単な道具で加工ができるからです
また森で育ち、土に還っていく
という循環性もある
それで
究極の材料は木だと思っていました
(中略)
木、石、鉄は全部自分にふさわしい構造を生み出す
わけです
石だったらアーチ
木だったらトラス
ですね
(中略)
構造というものは
われわれの意識的な知力と理性が生み出し
その知力とか理性の力が
われわれの日常的な感覚とか身体性を裏切って
驚きや感動を与えるものではないか
ですから
構造というのは
建築の中で最後に成立した
あるいは人間の脳のなかで最も高度な部分を使っている
領域ではないかと考えています
*************************************************************************************
いままで
建築物や工作物(とりわけ「橋梁」や「鉄道橋・駅舎上屋」等)
など
その「形態」と「重力」に反発するような「構造美」

目にしたときの
あの
「気持ち」

このようなことなのではないか

藤森教授の「レクチャー」と掲載されている「写真」を見ながら
思ったのである