Suisseから「父の日」のpresentが届きました
現代町家の建築をすすめている
「町の工務店」
というグループがあります
その代表の方から
「お手紙」と「写真」を数葉いただきました
その手紙には
こう書かれていました
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こちらの住宅は、日射遮蔽にものすごく熱心です。
エアコンを使わないからです。
材料研究所のガラス素材でできている外付けルーバー。可動式で「日射取込み」と「日射遮蔽」を兼ねる熱実測装置ともなっている |
それが決め手とばかり、「オーニング」あり、「外付けルーバー」あり、「緑のカーテン」ありで
「手法も多彩」です。
夏対策は、ヨーロッパでは不要と考えていましたが建物に即していえば
日本人以上に、「自然と応答」して解をつくっています。
日本人は、エアコンに頼り切っていて、建築については、つくづく怠惰だと思いました。
オーニングも、外付けルーバーも、さてモンスーンの国でどうだろう
ということはありますが
「木陰の涼しさ」
ということを、彼らは分かっていると思いました。
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この手紙を拝見していて思い出したのは
「木蔭(コカゲ)」
というコトバでした
小学生の夏休みに
友だちと駆けずりまわり遊んだ
近所にあった
「雑木林」
すっと通り抜ける
「涼しく」「心地よい」風が
汗まみれの少年たちの顔を
撫でていった「あの記憶」が蘇ってきたのです
日本では「外付けルーバー」等は台風時の影響を考え避けられている。いま建築的な解答が求められている |
また
写真とともに旅先での原稿が添えられていました
それは
の
建築手法から
現在の日本の都市・建築の「タテナオシ」について書かれたものでした
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日本では、地震と津波によって、多くの建物が壊れ、流された。
われわれはそれを、テレビ報道を通して毎日のように見ている。
何を復興させるといって、この地震による破壊は根こそぎのものであり
茫然自失のうちに日が失われている。
変動帯文化の日本は、流転社会と言われ、そこに生き続けることに長けているとはいえ
素形あるいは原型が失われた状態において、その復興の絵図を描くのは、並大抵なことではない。
元のものを読み取ると同時に、元のものでもない「修景」の方法が求められるのである。
この場合、ピーター・ズムトーがやった「修景」の方法がヒントになる。
グガルンハウス(1994) |
元のものの記憶を丹念に拾い集め、同時に新しい設計手法を駆使して、
建築の素形あるいは原型言語を蘇生させるのである。
聖ベネディクト教会(1989) |
それを成し得るのは、地域をよく知る工務店と
「修景」することに情熱を持てる建築家であり
そういう目で仕事を統一できる、地域のリーダーであろう。
とてもむずかしいことだが、ここまで壊されたら、もうそこを目指すほかあるまい。
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日本各地にある「町の工務店」
その果たす役割はますます大きくなってきそうです
(参考)