2012-11-21

建築ジャーナル №1205。

町の工務店がすすめる「建築運動」
~自然室温で暮らせる家~
民家の建築要素を採り入れた「びおハウスM」という住宅建築の考案者でもある
建築家・村松篤さんの作品特集号です。

現在、静岡県浜松地域周辺では
「びおハウスM」
という建築が着工・工事中・完成も含めて4軒
太陽の熱と光で住宅消費エネルギーを賄えるよう計画されたものが1軒
着々と進行中です。
その「ルーツ」ともいうべき、建築家・村松篤さんのつくられてきた
自然エネルギーを利用した住宅建築が満載な本号は
自然室温で暮らせる家を考えるうえで
なんらかの手がかりとなる、そんなテキストとして仕上がった一冊となっています。
本書で、村松篤さんは「何故、住宅建築を主として取り組んでいるのか?」を
次のように語っておられます。

◇◇◇◇◇
社会に出てから35年、事務所を開設してから16年、これまで設計の仕事一筋で歩んできました。なかでも住宅の仕事が多いのは、一番身近な存在でありながら設計そのものは最も難解で奥が深く、そして何よりも面白かったからなのではないかと思います。私にとってライフワークといってもいい住宅設計は、生涯を掛けて本質を追求していくべき大きなテーマです。地味を読み取り、住まい方を把握し、まちの風景として愛されながら、次世代に受け継いでいける丈夫で省エネルギーな建築を、これからも丹念に創りあげていきたいと思っています。
◇◇◇◇◇

人の営みの基本となる空間に、エネルギーの質までも考えつくられる建築。
そんな、あたりまえで素直な設計思想は
エネルギー政策の転換期に来ている我が国にとって
住宅という単位こそ小さいけれどそこで消費されるエネルギーのことを考えるうえで
重要な道筋となって現れてくるものと確信しています。


(目次)
特集 音のある幸せな住空間
音は生きる力-口笛が響きわたる自邸を設計
球体の響き渡る特性を逆手に、天井から降り注ぐ音楽室
アトリエから街に響く日本文化音色
日本の歌に興味を持つのはごく自然のこと
安い!簡単!音も抜群!塩ビ管で素敵なスピーカーをつくろう!
「音響と構造」「音響と建築」の融合点を探る
日本人はもっとホンモノの音を聴いてほしい
身近な素材を使って、リビングを豊かな音空間に
「ハイパーソニック」がもたらす心と身体の活性化
ジャーナルギャラリー
京都会館を守りたい・東北大の卒業設計は「京都会館」を参考に
建築のポリエドール 11
要塞の保存・活用
透けた明るさ 11 名作住宅の構造デザイン
広瀬鎌二「SH-1」
都市計画は誰のためにあるか 9
ポスト近代都市計画への道8
前川國男の求めたもの 8
コンペ連続挑戦の始まり
淵上正幸の遥かなル・コルビュジエを追って 11
チャンディーガル
建築と政治
建築と景観の権利は誰が保障するのか
実務
古川保の伝統構法万歳!47
「伝統構法に厳しい改正省エネ法の判断基準が発表された」
反電磁波講座84
「アルツハイマー病増加の陰に電磁波?」
NEWS
建築集 村松篤設計事務所

(参考)