alterna 2011 july 最新号です
表紙の「ウランも原油も頼れない」と孫正義社長のアップは
なんとも印象的だ
「電田プロジェクト」なる休耕田圃を利用した「メガソーラー発電」
を
「自然エネルギー協議会」の設立とともに先導し、これに
33道府県の知事が参加、今月中旬ころ正式発足するようです
これは
「民間企業トップ」と「複数県の知事」という構図になっていて
たいへん異例中の異例に見えますが
日本のエネルギー政策の主管となる
「経済産業省」や「エネルギー庁高官」の姿はこの記者会見場には
見つけることができなかった、ということです
この
「自然エネルギー協議会」に期待する各道府県の知事の思いを
代弁するような発言を
長野県の阿部知事がされていらっしゃるようです
それは
『化石燃料や原子力に依存するのは
中央集権型システム
行政の分権は強く政府に働きかけてきたが
今後は「エネルギーの分権」も必要だ』
また、あの浜岡原発を擁する静岡県の川勝知事も
『浜岡原発の運転停止命令で360万kwの電力供給が止まった
「電田プロジェクト」は静岡県にとって
分散自立型のエネルギー体系をつくるうえでの
「ステッピングストーン(飛び石)」になる』
と
孫社長の提唱からわずか「ひと月あまり」の間に
33もの道府県知事が「自然エネルギー協議会」に集結しました
この事実に経済産業省のトップは
「エネルギーの中央集権」をひっくり返される
という恐怖を感じているに違いありません
「エネルギーを巡る地方の反乱」
が始まろうとしているのかもしれません
国際エネルギー機関(IEA)は昨年11月
を
発表しています
そこには
「石油の生産量が2006年にピークを迎えた可能性が高い」
と発表
同じく
「石油生産量は日量6900万バレル前後で停滞する」
可能性が高く
IEAのチーフエコノミストのファティ・ビロル氏は
「石油が安い時代は終わった」
と断言しています
こうなると日本も「化石燃料の高騰に左右されないエネルギー」を確保すること
が急務となり
自然エネルギーを推進する必要があります
またCO2の抑制という観点から見た場合
「天然ガス」のCO2排出量は
「石炭」と比べ40%少なく
「石油」においては25%少ない
というデータも出ています
そこで自然エネルギーの普及にむけての「カギ」は
(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案)
です
可決されれば明年4月より
「固定価格買取制度(FIT)」
が本格的に導入、ということになります
この制度が導入されると
「太陽光発電」「風力発電」「バイオマス発電」「地熱発電」
について15~20年間
1kwあたり15~20円(太陽光発電は42円)の買電となるようです
制度が導入されこの「買取価格」が少しずつ上昇していけば
売電目的とした「小水力発電システム」に
踏み切る企業も出てきそうであると識者は見ています
「エネルギーの分権」により
地方を踏み台とし、電力の独壇場であった「原発」から
再生可能で安全・安心な「自然エネルギー」へと
移行していくことでしょう
いままで
あたりまえのように使ってきた「電力」
先に記したように
「独占」
されてきました
わたしたちは「それ」があたりまえ
とも思っていましたが
「発送電」
の独占がおこなわれているのは先進諸国で「日本だけ」のようです
欧米諸国では90年代以降
「電力自由化」
で
「発送電分離」が実現しています
ただ日本でも「発電の自由化」ということは実現してきていたのですが
肝心の「送電網開放」がなされていなかったのです
現在日本の電力各会社は
過疎地に「巨大な(原子力)発電所」をつくり
大都市圏へと「大量の電力」を送りつづけました
しかしこの
「発送電分離」となれば小規模な発電所であっても
その電力が消費される地域の近くで
発電することが可能になり、これによって
「自然エネルギー」を利用した発電会社が生まれやすくなり
ひいては
電気(電力)の「地産地消」というロスの少ない電力供給が可能
となるのです
現在ある電力会社の「分散化」も必要になるのでしょうが...
さきに示した「自然エネルギー協議会」
ここ山口県も
この協議会に「手を挙げて」おり
今後の動向から目を離すことができません