岩波新書からの増補改訳版です
本書でタウトはこう、いいます
『日本の建築文化は、桂離宮におけるよりも高揚しえず
また
日光におけるよりも低下しえなかった
日光廟は、消化せられぬ輸入品であった。これに反して
桂離宮は、当時存在していた一切の影響を精神的に消化摂取したものである』
と
タウトは、ナチスから亡命して逃れてきた日本で
日本建築の
「最大の単純の中の最大の芸術」
の
典型を「桂離宮」に見出したのです
日本各地を旅しながら日本建築への視点を通して
「日本建築文化」
の
深奥
を感じ「記録・纏めら」れた「日本美の再発見」という書
70数年を経て輝きを失わない
その考察は
針路を見失いつつある現代の建築を再考するものと思います
(目次)
日本建築の基礎
日本建築の世界的奇跡
伊勢神宮
飛騨から裏日本へ
冬の秋田
永遠なるもの―桂離宮
あとがき
(参考)