屋上緑化が施された下屋 |
建築家 内田文雄さんのおしごとを拝見する機会に恵まれました
へ
ご来場いただいた
山口県産業技術センターの水沼 信(まこと)さん
の
ご案内で
モデルハウスの視察をさせていただきました
モデルハウス正面(南) |
内田文雄さん
は
現在山口大学大学院理工学研究科
感性デザイン工学教授
であり
山口県地域振興アドバイザー
山口木造塾の企画・運営などにも携わられていらっしゃいます
内田文雄さんは
建築家・吉阪隆正の研究室で学ばれたあと
象設計集団に籍をおかれ
あの有名な
名護市庁舎などを手がけられ、その後に独立され
龍環境計画を設立
若き学生の育成にと
早稲田大学、山口木造などで教鞭をとられ
2000年山口大学工学部教授
2006年山口大学大学院理工学研究科教授
に
就任されています
1階のリビングとデッキテラス |
今回、視察させていただいた「おしごと」は地域工務店のモデルハウス
建坪60坪強のすこしゆったりした感じの建築です
九州の檜材を用いた
在来軸組木造3階建のこのモデルハウスは
4間角の平面
に
下屋を(周囲に)配置し
その屋根部分は
「屋上緑化」や「ルーフバルコニー」
として設計されています
また
や
上昇気流による通風・換気
など
パッシヴな設計がなされています
2階ホールから3階を見上げる |
柱と横架材の接合部分は
このモデルハウスを「施工・運営する工務店」が独自に開発した
を
使用して組まれています
2階ホールで談笑される建築家・内田文雄さん(右から2番目) |
このモデルハウスの
サイトプランニング上の特徴として
南面方位に「正対」していて
その配置から
「ニワ」や「アプローチ」、「デッキテラス」
などが三角状となって
「外と内」
を
うまく繋げて「建物四方に性格の異なる空間」として生まれています
また
目線の「ヌケ」や「アイストップ」を
植栽や板塀
などを
配置することにより
コントロールしていて
とても
居心地のよい空間がそこにあります
3階のフリースペース |
南面正対するデッキテラス |
南西部分のニワ |
板塀越しに見るモデルハウスの南面 |
この地域工務店は
自社で
木材の乾燥(バイオ乾燥)
や
断熱材一体型の屋根パネル
そして
ペレットストーブ
などの
製作・加工・取付(施工)を行なっているということです
内田文雄さん
は
今回のモデルハウスでなぜ「山口」でなく「九州の木材」を使用したのか
を
話されていました
それは
「木材乾燥の方法」
「品質基準(含水率)」
など
現在、抱える検討事項が多く
今回モデルハウスの設計依頼をした
地域工務店の代表者からも
「木の香りのする木造建築」
を
つくりたい
ということから
九州にある「檜材」をつかって組まれたことを明かされていました
それは
山口県地域振興アドバイザー
山口木造塾の企画・運営などにも携わられてこられた経験から生まれるものでもある
と
おもいました
また
「やまもとに入るお金のしくみ」
を
もっと考えないと
伐採後の「植林」や下草刈りの「管理」
など
とうてい難しくなること
などのお話もあり
我が県が抱える「深刻な問題」がそこにある、とそう思いました
今回のモデルハウス視察では
とても多くの「出会い」と「やまぐちの山」のこと
を
あらためて考えることのできた
モデルハウス視察会でした
ご多忙のなか、ご案内をいただいた
建築家 内田文雄さん
山口県産業技術センターの水沼 信さん
ならびに
関係者の皆様に改めて感謝したいとおもいます