2011-11-30

建築家 内田文雄さんのしごと。

屋上緑化が施された下屋
 建築家 内田文雄さんのおしごとを拝見する機会に恵まれました

ご来場いただいた
山口県産業技術センターの水沼 信(まこと)さん
ご案内で
モデルハウスの視察をさせていただきました

モデルハウス正面(南)
内田文雄さん
現在山口大学大学院理工学研究科
感性デザイン工学教授
であり
山口県地域振興アドバイザー
山口木造塾の企画・運営などにも携わられていらっしゃいます

内田文雄さんは
建築家・吉阪隆正の研究室で学ばれたあと
象設計集団に籍をおかれ
あの有名な
名護市庁舎などを手がけられ、その後に独立され
龍環境計画を設立
若き学生の育成にと
早稲田大学、山口木造などで教鞭をとられ
2000年山口大学工学部教授
就任されています

1階のリビングとデッキテラス

今回、視察させていただいた「おしごと」は地域工務店のモデルハウス
建坪60坪強のすこしゆったりした感じの建築です

九州の檜材を用いた
在来軸組木造3階建のこのモデルハウスは

4間角の平面
下屋を(周囲に)配置し
その屋根部分は
「屋上緑化」や「ルーフバルコニー」
として設計されています

また
上昇気流による通風・換気
など
パッシヴな設計がなされています

2階ホールから3階を見上げる

柱と横架材の接合部分は
このモデルハウスを「施工・運営する工務店」が独自に開発した
使用して組まれています

2階ホールで談笑される建築家・内田文雄さん(右から2番目)
 このモデルハウスの
サイトプランニング上の特徴として
南面方位に「正対」していて
その配置から
「ニワ」や「アプローチ」、「デッキテラス」
などが三角状となって
「外と内」
うまく繋げて「建物四方に性格の異なる空間」として生まれています

また
目線の「ヌケ」や「アイストップ」を
植栽や板塀
などを
配置することにより
コントロールしていて
とても
居心地のよい空間がそこにあります

3階のフリースペース

南面正対するデッキテラス

南西部分のニワ

板塀越しに見るモデルハウスの南面

この地域工務店は
自社で
木材の乾燥(バイオ乾燥)
断熱材一体型の屋根パネル
そして
ペレットストーブ
などの
製作・加工・取付(施工)を行なっているということです


内田文雄さん
今回のモデルハウスでなぜ「山口」でなく「九州の木材」を使用したのか
話されていました

それは

「木材乾燥の方法」

「品質基準(含水率)」

など

現在、抱える検討事項が多く
今回モデルハウスの設計依頼をした
地域工務店の代表者からも
「木の香りのする木造建築」
つくりたい
ということから
九州にある「檜材」をつかって組まれたことを明かされていました

それは
山口県地域振興アドバイザー

山口木造塾の企画・運営などにも携わられてこられた経験から生まれるものでもある
おもいました

また

「やまもとに入るお金のしくみ」
もっと考えないと
伐採後の「植林」や下草刈りの「管理」
など
とうてい難しくなること

などのお話もあり
我が県が抱える「深刻な問題」がそこにある、とそう思いました

今回のモデルハウス視察では
とても多くの「出会い」と「やまぐちの山」のこと
あらためて考えることのできた
モデルハウス視察会でした

ご多忙のなか、ご案内をいただいた
 建築家 内田文雄さん
ならびに
関係者の皆様に改めて感謝したいとおもいます